大型犬に多い病気
2019年6月5日診療日誌
当院では30kg以上の体重の大型犬にも対応した入院施設や薬剤、手術機材が準備できていますので、千里ニュータウンに位置しますが、大型犬の来院も非常に多いです。(私自身も30kg以上の大型犬の飼い主です♪)
さて、先日来院されたシニア期のゴールデンレトリバーのワンちゃんですが、後ろ足がおぼつかないとの事で当院を受診されました。
大型犬では高齢になると、やはり後ろ足が不自由になってくるケースはたくさんあり、老化だけでなく関節炎なども非常に多い理由の一つです。
今回診察させていただいたワンちゃんもその他には元気な様子だったので、関節炎の可能性を考慮して治療を行いましたが、改善しませんでした。
こうなると、アレ?っと思うのは飼い主様だけでなく獣医師も同様です。
つまり関節炎以外の理由が必ずあるということになります。
相談の上、全身的な検査を実施していくと、理由が心臓に見つかりました。
この病気は心タンポナーデと言われる病気で、ER対応が求められる緊急疾患の1つでした。
すぐさま心囊水抜去を行い、約500mlの除去に成功しました。その後容体は徐々に改善に向かいました。
この子は非常に元気が良く、我々もまさか心タンポナーデとは思いもよりませんでした。(普通は虚脱してフラフラになります)
オーナー様も総合的な検査にご同意いただけたため、これ以上の発見の遅れにつながらずに済みました。
当院にお越しになられるワンちゃんはトイプードルやチワワなどの小型犬種が多いですが、レトリバーやバーニーズ、サムエド、レオンベルガーなどに対応可能な大きな入院室やホテル犬舎、十分な出力を持つレントゲン装置、大肺活量にも対応可能な人工呼吸器などを完備しています。
大型犬の飼い主様も遠慮なくお越しくださいませ。
山本@私もどちらかと言うと大型人間の獣医師