眼科
当院には各種眼科疾患に対応できるよう、各種眼科検査機材を用意しています。
また、眼科手術には欠かせないマイクロ器具や手術ルーペも完備しており、必要に応じて眼科手術も提案可能です。
眼科の症状
- 目が充血している、目が赤い
- 涙が多い、目ヤニが多い
- 目をしょぼつかせている、開きにくそうにしている
- 目が白い、濁っているように見える
- 目が大きくなっている
- 目が見えていない、物にぶつかる、踏み外す
- 夜の散歩を嫌がる、怖がる
代表的な眼科の病気
白内障
目の中にある水晶体が白く濁って、視力低下を及ぼす病気です。初期は気づかれにくいですが、肉眼でも分かるくらいに白くなると視力低下が起こり、生活に支障をきたします。
点眼などで進行を遅らせる方法もありますが、根治には手術が必要です。
白内障は放置されることもしばしば多い疾患ですが、放置されると最悪のケースでは失明に至ったり、続発性の眼内炎症や緑内障など目をとても開けることが辛い状態になります。
ここまで進行すると治療も非常に困難になるため、定期的な診察が望まれます。
緑内障
眼球内の圧力が上昇することで網膜や視神経がダメージを受け、失明してしまう病気です。非常に進行が早く、発症から数日の経過で失明に至り、失った視力は元には戻りません。
また強い痛みが出ることもしばしばなため、早急な治療介入が必要な病気です。
急性期には点滴や注射、点眼を行いますが、必要に応じて手術が選択されることもあります。
角膜潰瘍・角膜びらん(外傷性角膜炎)
眼球の最も表面の構造が角膜であり、これに傷が入ると痛みで目が開けられなくなり、大量の涙と目ヤニが出ます。
日常的に診断する病気ですが、点眼だけで治療できることもあれば、内服の併用や医療用コンタクトレンズの装着を行うこともあります。
ただし、損傷がひどい場合や短頭種の難治性びらん(SCCEDs)では処置や手術を行うこともあります。
乾性角結膜炎
中高齢の犬に認められる病気で、涙腺が破壊されることによりドライアイになってしまいます。
涙が出なくなってしまうため、非常に粘性の高いドロっとした目ヤニで目が覆われます。
発見されるタイミングによっては涙腺からの分泌が再開されますが、放置されると生涯にわたって点眼を行わないと、目が輝きを失い、目ヤニで顔面周囲はかなり不衛生になっていきます。
第三眼瞼突出(チェリーアイ)
内眼角よりピンク色の組織が飛び出る様が、さくらんぼに似ていることから、チェリーアイと呼ばれます。
多くの動物は第三眼瞼=ピンク色の組織が飛び出ている以外には症状を示さないため、放置されていることもしばしばです。
しかしながら経過が長いとドライアイに以降するため、脱出したこの第三眼瞼を元の位置に帰納する手術が必要です。
マイボーム腺腫
眼瞼に形成される小さな良性腫瘍です。通常はほとんど無症状で経過します。早期の手術で眼瞼形成が可能で、顔面の表情を変えない手術が可能です。
眼科の検査方法
スリットランプ検査(細隙灯検査)
拡大レンズを備えた検査鏡で、全灯・スリット光・コバルト光などを用いて眼科の外貌を知る、いわば眼科における身体検査です。眼科診療では無くてはならない検査機材です。
フルオレセイン染色・ローズベンガル染色
透明な角膜の損傷を肉眼的に視認できるようする検査方法で、微細な変化も上記スリットランプと併用することで見逃しなく判別可能です。特にローズベンガル染色は、涙膜の不安定性を確認するのに有用です。
涙液分泌量測定(シルマーティアー試験)
涙液の分泌量を測定する検査方法です。ドライアイのタイプや程度を診断するのに用います。
眼圧測定
当院には一般動物病院には少ない眼圧計を備えており、緑内障の診断の他、ぶどう膜炎の診断にも用います。
超音波検査
眼球内部の構造を確認するために高周波プローブにて超音波検査を行います。角膜や水晶体、前眼房が濁って眼球内が確認できない場合は特にこの検査が有用です。網膜細胞にダメージを与えないように出力を絞って検査を行なっています。
眼底検査
網膜の状態を知るために特殊なレンズを用いて、眼球内部の状態を確認します。
眼科の専門医療
当院だけで対応困難な難治性眼科疾患や、白内障の手術などは、アメリカ眼科獣医専門医や比較眼科学会専門医をご紹介しております。