東洋医学(漢方・鍼)
当院の東洋医学(漢方・鍼)診療について
当院では積極的に東洋医学(漢方薬・鍼治療)を取り入れた診療を行っています。
動物を治す為、積極的内科治療を行っていきたいが状態によっては、副作用が強く生じてしまうことや、強い内服薬に抵抗を感じてしまうことなどがあります。
また、現代の医学を用いても難治性の疾患もあります。
局所に攻撃的に治療する西洋治療と異なり、精神面を含めて全身的にバランスを重視して治療するため、多症状を呈する難病を穏やかに治癒に導くことができます。
また、副作用のある薬(ステロイド剤・免疫抑制剤・抗生剤・鎮痛消炎剤・精神安定剤・抗てんかん薬など)を減らしていくことも可能です。
このような場合でも諦めるのではなく、少しでも動物たちの生活が改善するように、東洋医学(漢方薬)といった違った発想からも治療にあたっております。
漢方薬とは
植物や、動物、貝殻、鉱物など自然界に存在する天然の物でかつある効果をもったものを『生薬』と呼びます。
漢方薬とは、生薬を数種類から十数種類組み合わせたお薬です。
東洋医学の診断方法から症状や体質をみて、不調の原因を考えます。それは「証」と呼ばれ、「証」の診断をもとに、その子に適した漢方薬を選んでいきます。
一般的に苦くて飲みにくいというイメージがありますが、いろいろ工夫ができますし、錠剤もあります。
漢方薬の副作用
『漢方薬は安全で副作用がない』と思われている方も多いようですが、漢方薬にも副作用があります。ただし、西洋薬と比べれば程度も軽く頻度も少ない場合がほとんどです。
一般に人が食べる蕎麦や牛乳にアレルギーが出るのと同じくらいの頻度で、漢方薬に含まれる生薬が体質に合わないこともあります。
吐き気や下痢、食欲減退や元気がなくなるといった症状が出たり、いつもと様子が異なることがあれば、すぐにご相談ください。
動物用漢方薬の種類
源気げんき(元気の養生)
中医学(中国の伝統医学)に基づいて配合された食用蟻・植物エキスが、高齢ペットの元気と健康をサポートします。
中医学的方意
扶正補気、益腎填精
清肌せいき(皮膚の養生)
中医学に基づいて配合された植物エキスが、ペットの健康な皮膚をサポートします。
中医学的方意
清熱解毒、清熱利湿、止痒、消散癰腫
通楽つうらく(関節・筋肉の養生)
中医学に基づいて配合された植物エキスがペットの健康な関節・筋肉をサポートします。
中医学的方意
祛風湿痺痛、通絡、舒筋、消食利水
露華ろか(免疫の養生)
中医学に基づいて配合された植物エキスがペットの健康を維持することにより免疫力をサポートします。
中医学的方意
補気健脾、補肝益腎強精、消炎解毒、消腫止痛
寧心ねいしん(循環の養生)
補気養陰中医学に基づいて配合された水蛭・植物エキスがペットの健康な循環をサポートします。
中医学的方意
破血逐瘀、行気、消積、止痛
三仙さんせん(消化の養生)
中医学に基づいて配合された植物エキスがペットの健康な消化をサポートします。
中医学的方意
健脾和胃、消食導滞
潤華じゅんか(毛並の養生)
中医学に基づいて配合された植物エキスがペットの健康な毛並をサポートします。
中医学的方意
気血両補、補脾益腎、活血通絡
快元かいげん(代謝の養生)
中医学に基づいて配合された水蛭・植物エキスがペットの健康な代謝をサポートします。
中医学的方意
活血益気、通絡化瘀、補脾健胃
西伯利亜しべりあ(肝・腎の養生)
中医学に基づいて配合された植物エキスがペットの健康な肝・腎をサポートします。
中医学的方意
補気健脾、補肝益腎強精、消炎解毒、活血利尿、消腫止血止痛
通淋つうりん(尿路の養生)
中医学(中国の伝統医学)に基づいて配合された食用植物・鶏エキスが、ペットの下部尿路の健康をサポートします。
中医学的方意
清熱解毒、利水化石、利胆
静心せいしん(メンタルの養生)
中医学(中国の伝統医学)に基づいて配合された珍珠母・植物エキスが、ペットの健康なメンタルをサポートします。
中医学的方意
養心安神、清心鎮静、清肝降火
滋潤じじゅん(乾燥の養生)
中医学(中国の伝統医学)に基づいて配合された植物エキス・スッポン粉末が、ペットの健康な潤いをサポートします。
中医学的方意
滋陰潤燥、清虚熱、補益肝腎
熄風そくふう(神経の養生)
中医学(中国の伝統医学)に基づいて配合された植物・蚕エキスがペットの健康な神経をサポートします。
中医学的方意
化痰開竅、袪風止痙、補気活血
東洋医学(鍼)
鍼刺激は気血津液の停滞を解消し、気の流れを自由にして自然治癒力を引き出します。
心身のバランスが良くなったときに体の調子が徐々にもとに戻っていくという考え方なのです。
鍼治療の効果として鎮痛、解熱、胃腸運動調節、抗炎症、免疫調節、ホルモン調節、血行促進、精神安定など体内の乱れたバランスを整えることで、体の不調を徐々に改善していきます。鍼との相性にもよりますが、ワンちゃんネコちゃんもこんなにリラックスして鍼治療を受けていただけます。
鍼治療について
鍼治療は体表の経穴を細い鍼で刺激して行われます。経穴には密集した神経終末と肥満細胞、細い動脈やリンパ管があり、多くの研究で鍼による経穴への刺激はβエンドルフィン、セロトニン、などの鎮痛物質や精神を安定させる物質を放出することがわかっています。
鍼治療はこれらの働きにより痛みを取り、心身のバランスを整えます。
施術の方法
症状により数日から2週間に1回程度を目安に行います。
体調が安定したら1〜2ヶ月に1回程度行うとよいでしょう。
鍼
数分〜15分くらい、とても細い針を経穴に刺入します。※一般的な注射で用いる針よりかなり細い(髪くらい)です。
電気鍼
15分くらい、鍼に微弱電流を流します。
レーザー鍼
5~10分くらい、経路に沿って経穴にレーザーを当てます。
適応症状
- 皮膚疾患
- 痛み
- 関節炎
- 神経疾患
- 老齢性疾患
- 関節炎や椎間板ヘルニアの治療や予防
- 術後のケア
- てんかん
- 尿漏れ
- 下痢・食欲不振などの消化器疾患
- 腎臓病
- 甲状腺、糖尿病などのホルモン疾患
施術料金・外来
施術料金
処置料:8,800円〜(税込)
ただし、施術内容や時間によって料金は変動します。
※診察料は含まれません。その他の処置、検査がある場合は別途必要です。
施術外来日時
初診の飼い主様は、まずは外来にて一般の初診でご予約の上、ご来院ください。
施術を伴う鍼外来は、平日の午後の外来に限らせていただいております。あらかじめご了承ください。
施術者
施術は池堂獣医師が担当します。
池堂獣医師は、国際中獣医学院日本校の講座を修了し、認知中獣医鍼灸師の認定を受けております。