マムシの咬傷
2015年9月1日診療日誌
あまり都心部の動物病院では見ない症例も当院ではまれに来院されます。
この写真はとあるわんちゃんの前肢です。マムシと思われるヘビに咬まれてしまったそうです。。
マムシ自体は山間部に行くと時々遭遇します、運悪く動物が咬まれるとパンパンに腫れ上がってきます。
写真は治療数日後、ようやく落ち着いて患部の写真撮影ができたところです。かなり強い鎮痛剤を入れても、動物の性格によっては患部の洗浄なども苦労する事があります。それくらい、マムシの咬傷は強い組織破壊により痛みが生じます
また、一般的に「溶血毒」と総称される毒素によって血液が溶かされ、一過性の貧血を呈する事もあります。
治療としてはマムシの抗血清があれば使用しますが、比較的高価な薬剤であることと、都心部の動物病院で常備していないことも多く、初期治療に苦労することも多いです。
今回は最初こそ痛みが強かったものの、治療4日後には状況も落ち着いていき、無事に退院していきました。
性格がシャイな子でしたが、短い入院期間とは言え、最後の方はスタッフに心を開いてくれて、良い笑顔を見せてくれました
山間部にハイキング、BBQ、キャンプなどに行かれる時には、以下のような点に注意してあげてください。
必ず事前にノミ・マダニ予防薬を使用して下さい(市販品は効果が乏しくオススメできません)
草むらなどに入った後は、顔まわりや足先を確認して下さい(マダニやヘビにやられる部位です)
体調不良が認められた時は、出来るだけ早めに動物病院を受診して下さい(感染症や中毒症のこともあります)
山本@獣医師