遺伝子検査の発展
2017年4月18日診療日誌
先日、フィラリア健診時に、血液検査と一緒に超音波検査を受けて頂いたヨークシャーテリアちゃんのエコー写真です。胆嚢の検査がメインだったのですが、偶然、膀胱内に約1.5cmのポリープを発見しました。
ワンちゃんは特に血尿や泌尿器症状は無く元気いっぱいの子だったため、健康診断で早期に発見できたケースです。
すぐに尿道カテーテルにて細胞検査を行ったのですが、異常が発見できませんでした。ただし、この尿道カテーテル検査では異常が検出されないこともあるため、念のためにBRAF遺伝子検査を受けてもらいました。
そうするとカテーテル検査ではガンは発見されませんでしたが、この検査では膀胱癌の疑いが強く出てしまったのです。。
飼い主様と相談の上、先日、膀胱部分手術を受けてもらい、つい先日元気に帰って行き抜糸も終えました。
そして帰ってきた病理検査結果は、「膀胱移行上皮癌」と言う悪性腫瘍の病名でした。
このBRAF遺伝子検査は比較的新しい検査ですが、動物医療の中にも遺伝子検査はどんどん普及していっています。
今回もカテーテル検査では異常なしでしたが、遺伝子検査のおかげで早期癌の切除に成功できました。
特に移行上皮癌が進行すると末期は非常につらい状況に動物たちは追い込まれてしまいます。
ゆえに健康診断で早期発見できたことも幸いでした。
獣医療の発展は、私たち街の動物病院の診療を支えてくれています。
山本@今日1日で10件ほど超音波検査を行った獣医師