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2022年4月11日診療日誌

先日、去勢手術をご依頼いただいた6ヶ月齢のまだ若い猫ちゃんの術前検査のレントゲンです。

黄色で囲んだ部分に異常所見が写っています。腹部エコー検査などから、横隔膜に生まれつき大きな穴が空いており、肝臓の一部が胸腔内に入り込んでしまう「先天性横隔膜ヘルニア」と診断されました。

この疾患は呼吸で大きく膨らむはずの肺が、入り込んだ肝臓などの臓器に圧迫・邪魔され、呼吸困難に陥ったり、重症のケースでは成長速度に呼吸が追いつかず、死亡してしまうケースもあります。

この疾患は外科手術しか治療方法がなく、飼い主様に説明の上、去勢手術と同時に大きく空いた穴を閉じる手術を実施しています。

私が執刀しましたが、麻酔担当医ともうまく連携し、無事に整復手術を完了。呼吸状態も問題なく、術後間も無く退院できました。(胸部外科は、執刀医だけでなく麻酔医の管理能力も重要です)

先日、術後の経過確認のためレントゲン撮影を実施しましたが、レントゲン・呼吸状態ともに問題なく、順調に成長してくれています。次は1年後の再診で大丈夫でしょう。(黄色の丸で囲った白い影が消えていますね)

当院では、避妊手術も去勢手術も、必ず全頭で術前検査として血液検査とレントゲン検査を実施しています

時々このような先天性疾患を持った動物が犬にも猫にもおり、今回のケースは術前検査がうまくこれらの疾患を捉えてくれることができました。

当院では、一般病院では手術が困難な症例にも対応可能です。当院での対応が難しい場合は然るべき専門施設をご紹介しています。

山本@次は肝臓腫瘍切除を控える獣医師

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