カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症
2010年8月7日診療日誌
カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症ってご存知ですか?英語では、Capnocytophaga canimorsusと書きます。昨今業界内では話題になっている動物由来感染症のひとつです。
病気の原因細菌は、実は犬と猫の口腔内に常在しており、犬・猫に咬まれたり、ひっかかれたりすることで感染・発症します。初期の症状は発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛などです。特に免疫機能の低下した方において重症化する傾向があります。国内でも14例の報告があり、報告数は徐々に増加傾向です。
残念ながら現在では、皆様が飼っていらっしゃる犬・猫がこの細菌を保有しているかどうか調べる検査方法はありませんが、国立感染症研究所や大学等に以来できないか検討されています。2004年から2007年の調査によると、とある菌種に限れば、犬で74%、猫で57%が保有していることが判明しており、この割合は他の動物由来感染症の中でも相当高い数字です。
予防方法として、日ごろから動物との過度なスキンシップは避け、動物と触れ合った後は手洗いなどを確実に実行することです
多くの犬・猫で保菌されている可能性が高く、現状では動物たちの検査を実施するよりも咬傷時には医療機関を受診することが重要です。