猫ちゃんは症状を発症してからでは遅いんです・・
2015年6月22日診療日誌
「猫は、犬に比べて病気の症状を隠します」
飼い主様に出すサインも小さなモノで、
・いつも様子を見ていたら治っていたのに、、、
・2週間ほど前から様子が違っていた、、、
・10歳を超えたし、歳のせいですよね?
など、このようなケースで発見が遅れ、かなり進行した状況で来院される患者様も少なくありません。
先日、診察した猫ちゃんのBモード心臓エコー検査の写真ですが、著しく拡大した左心房と左心室壁の肥厚が確認できます。各種検査の結果、肥大型心筋症の疑いが強まり、すぐさま治療を開始となりました。
この猫ちゃんは呼吸困難で来院され、その後一命を取り留めましたが、この検査を行う12時間前には多量の胸水貯留が起こっていました。。
極端に状態が悪化したのは1日ほど前とのことでしたが、よくお話を聞くともっと以前から疑うべき症状は出ていました。
我々が健康診断を皆さまにご案内する理由がここにあります。
普段からの健康診断が、動物たちの身体の状態を把握し、飼い主さまにも意識いただき、そして、もっとも大事なことのひとつですが、その動物たちの性格や普段の状況も、私たちは記録・記憶に残すことが出来ます。
いざ病気をした時に過去との比較もでき、速やかに診断・治療方針を得ることができます。治療の選択の幅も広がります。
こういった積み重ねが、すでに手遅れ、、、と言う病気に飼い主さまが遭遇しなく済むように出来る努力のひとつなんです。
当たり前のことですが、とてもとても大事なことです。
猫は症状を隠します、喋ることも伝えることも出来ません。
飼い主さまが連れて行ってあげないと、動物たちは自ら病院へは行けません。
普段からの健康診断は、健康な時だからこそ積み重ねておく必要があるのです。
また、私たちは年に犬猫の飼い主さまに合計年4回の健康診断の案内を送らせて頂いています。これは当院だけの努力だけでなく、検査センターのバックアップもあって実現出来ています。
ブログをご覧いただき、少し考えてみたいな、と言う飼い主様はぜひ一度来院されて下さい。
健康診断の内容も全頭同じではありません、その子の状況に応じて健康診断のメニューをカスタマイズできます。
山本@獣医師