猫のユリ中毒
2010年9月22日診療日誌
猫のユリ中毒をご存知ですか?
ユリ科植物(特にカンゾウ、テッポウユリ、アカユリ、ヤマユリ、オニユリ等)は、猫が摂取する近位尿細管の急性壊死により急性腎不全を引き起こします。
詳しい原因毒性物質については未だ不明です。
摂取後、3日以内に嘔吐、食欲不振、元気消失などの症状が現れ、おしっこをまったくしてくれなくなってしまいます。
猫にとってユリは極めて猛毒であり、残念ながら特効薬的な解毒剤もありません。舐めただけでも中毒を引き起こし、一口食べると死亡するケースもあります。
中毒に陥った猫ちゃんは治療の甲斐なく亡くなってしまう事も非常に多い病気です。
犬のたまねぎ中毒やチョコレート中毒などは有名ですが、猫のユリ中毒はまだまだ知られていない中毒症のひとつです。
ここに書かせていただくことにより、少しでもユリ中毒の危険性についての流布に繋がればと思います。
ちなみにですが猫以外の他の動物では、今のところユリが中毒を引き起こすことはないようです。
山本@獣医師