猫の慢性腎臓病早期発見への努力
2016年2月9日診療日誌
猫の慢性腎臓病については、高齢の猫ちゃんと生活を共にしている飼い主様はよくご存知かもしれません
腎臓は、体内に溜まった水分や老廃物を尿へ変換して体外に破棄することが主な仕事です。
ところが砂漠由来の動物である猫は、水分の代謝が人間や犬に比べると上手ではなく、高齢になると多くの猫ちゃんは慢性腎臓病に罹患し、上記の仕事がうまくできずに様々な症状が出てきます。
ただし、進行は非常に緩徐でゆっくりとした変化には、飼い主様であってもなかなか気付けないものです。
そのため、当院では積極的に血液検査や尿検査による健康診断をお勧めしています
当院では簡易的なUPC(尿タンパク・クレアチニン比)が測定でき、一般的な血液検査マーカーよりも早期に腎臓病を発見することがでいていました。ただし、この検査も万全ではなく、検査に引っかからない猫ちゃんがいることも事実です。
このように、「慢性腎臓病」自体は非常にメジャーなものですが、早期診断方法について様々な欠点がありました。
そこで、このほど登場した新しい検査方法がSDMA(対称性ジルチルアルギニン)を血液検査で測定する方法です。
この検査により従来の血液検査より検出が高まり、慢性腎臓病診断での欠点を補うことができます。
この測定は検査センターを利用して行いますが、今回、当院2階の猫専門病院「ノアのねこ舟」の開院に合わせ、検査サービスが開始される前に、当院にて先行開始することが決まりました。
当院の猫の飼い主様には間もなくこれらの内容を記載した「ノアのねこ舟通信」創刊号を発送予定ですので乞うご期待ください
ちなみにワンちゃんの検査も可能です。詳しくは診察獣医師までお尋ねください。
山本@獣医師