ネット予約
06-6835-2022

2010年11月30日診療日誌

101130.JPG先日の手術のお話です。

とある大型犬のワンちゃん。病院では大変興奮するため、なかなか診察できない子でしたsadある日右の前足に膨らみができたと来院されました。自宅でデジカメ撮影された写真を拝見すると、大きく膨隆した腫瘤が右手根部に形成され、おそらく「骨肉腫」と呼ばれる悪性腫瘍の可能性が高いことがうかがえました。

わんちゃんの性格上、無理な検査や治療ができないため、鎮静剤を自宅で投薬してもらい、半分眠ったところを連れて来て頂きました。そのまま検査を実施し、同日に右肩甲帯を含めた断脚手術を実施しました。

手術日までの間に多量の出血があったため、極度の貧血を呈していましたが、執刀医のみならず、麻酔医・助手・器具出しの補助を受け無事に手術を終えることが出来ました。

現在、当のワンちゃんは元気よく3本足で歩き回ってくれているそうです。その後の再検査でも貧血は改善し、快方に向かっていますup

骨肉腫は我々が診断する悪性腫瘍の中でも特に治療が困難な疾患です。発見と同時に断脚手術を行うこともしばしばです。飼い主様には大きな決断をしていただくことになりますが、断脚後はこの子と同様に、3本足にすぐに慣れ、元気よく走り回ってくれる子がほとんどです。

現在、術後の抗癌剤治療を行うかどうか、飼い主様との相談に向けて準備中です。骨肉腫では術後の抗癌剤治療により一緒に暮らせる時間を少し作ってあげることが出来るだけに、検討する価値のある治療方法のひとつです。抗癌剤治療だけが選択枝ではありませんが、飼い主様と相談しどの治療がもっとも良い選択か、これから検討していきます。

山本@獣医師

SNS Share