猫の膵臓腺癌
2012年5月13日診療日誌
ペルシャ猫などの長毛種の猫ちゃんは怒ると非常に気性が荒い子が多いのですが、この子は採血も注射もレントゲン検査にも大人しく、スタッフからも大人気の猫さんなんです。先日、急に食欲が無くなって様子がおかしいとのことで来院されました。
各種検査の結果、お腹に水が溜まっている腹腔内液体貯留と言う状態でした。お腹に水をためる病気はたくさんありますが、往々にして“悪い”病気が多く、この子も即日で精密検査となりました。
各種検査の結果、腹膜炎を起こしていることが判明し、緊急の開腹手術を実施しました。そうしたらところ、膵臓付近で炎症像が視認できたため、一部を採材し、病理組織検査へ送りました。
その結果、膵臓腺癌の疑いが強いことが判明しました。
動物医療に置いても膵臓は治療が難しい臓器として認識されており、比較的よく遭遇する急性膵炎・慢性膵炎でも同様なくらいです。膵臓腺癌については、効果的な治療は現在の獣医療ではまだわかっておらず、残念ながら治療の手立てがないのが現状です。。
幸い、このペルシャ猫ちゃんは症状は軽く、食欲なども内科治療により回復しています。余命は決して長いとは言えないのですが、一緒に入れる時間を少しでも穏やかで楽しい時になるよう、精一杯お手伝いしていきます。
山本@獣医師
P.S.ペルシャ猫の飼主様、手作りチーズケーキ、ホントに美味しかったですあっ、と言う間に無くなりましたありがとうございました