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2014年1月14日診療日誌

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昨日は午後から心臓病のセミナーにグランキューブ大阪まで行ってきましたdash

 

特に我々が日常でも遭遇する「僧帽弁閉鎖不全症」と言う心臓病に対し、

flairどのくらい進行したら、どのお薬を使えば良いか?

と言うのは、この分野では長年のテーマです。

 

ある一定のコンセンサスが得られた治療法はありますが、新薬の開発・登場によりこれらが見直されつつあります。

 

以前はNHYA分類やISACH分類により病期のステージを判断し、もっとも効果的な薬剤を投与を行なうのが主流でしたが、この分類方法にもいくつかの欠点が指摘されていました。

そこで後に非常に大規模な疫学調査の結果を踏まえ、昨年からACVIM分類が使われるようになってきました。

 

このACVIMの新しいガイドラインは非常に優れており、国内・海外の多くの循環器医が推奨しています。一方で、まだ議論の余地が残る薬剤や判断が分かれる薬剤もあり、各獣医師の経験と臨床的判断により投薬が行なわれている部分もまだ残っています。それだけ、僧帽弁閉鎖不全症に対する疫学的・統計的な治療データを解析していくことが、難しいことを表しています。

 

私もこのACVIMのガイドラインが発表されてからは、これに基づいた循環器疾患への対応を進めております。ただ最終的には、目の前の動物たちの性格や生活環境、飼い主様の要望も踏まえ、個々に応じた最適な投薬計画を立案していきます。

 

昨日のセミナーは多くのデータが示され、非常に興味深い内容でしたpencil

直ちに診察室で役立つ内容もあれば今後の治療の発展を期待できる内容もあり、昔から非常によく遭遇する僧帽弁閉鎖不全症ですが、まだまだ奥深い部分が残されていることや、循環器医の絶え間ない努力を垣間みる内容でした。

 

山本@獣医師

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