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2013年11月30日診療日誌

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心タンポナーデ」と呼ばれる病気をご存知でしょうか?医療ドラマで時々見かけますが、動物たちにも同じようにあります。これは命の危険がある緊急疾患に分類されます。

 

心臓の周りには心嚢膜と呼ばれる薄い膜が存在しています。この膜と心臓の間はミリ単位の空間があり、心嚢水と呼ばれる液体が入っています。

ところが、何らかの理由で心臓から出血が起こると、この心嚢膜内にその出血が溜まりだします。出血が続くと心嚢膜内は血液で満たされ、パンパンに圧力が上昇します。

その逃げ場を失った圧力は内側に存在する心臓に向かってしまい、心臓が上手に拡張と収縮を繰り返すことが出来なくなり、

 

このように起こるうっ血性心不全の状態を「心タンポナーデ」と呼びます。

 

これらの診断を出す多くの動物たちは、ほとんど動くことが出来ないくらいぐったりしており、危険な状態に陥っていることがほとんどです。

特にすでに何らかの心臓病を診断している動物や、高齢のゴールデンレトリバーに多いです。詳しい原因は不明ですが、腫瘍が関連していることが多いとも言われています。

 

問題は治療方法にあります。

残念ながら根本的な治療方法が無いのです。。溜まった心嚢水を外から針を刺して抜くのを繰り返さざるを得ません。冒頭から出している写真は今回ゴールデンレトリバーのワンちゃんから抜き取ったものです。530mlも溜まっていました。

最終手段として心嚢膜切開術と呼ばれる手術方法もありますが、これも根治療法ではありません。

 

治療方法が限られており、毎回リスクのある処置を繰り返さなければならないのが「心タンポナーデ」です。

今回のゴールデンレトリバーちゃんも一命を取り留めましたが、今後再発と付き合っていかなければなりません。。

 

山本@獣医師