猫の慢性腎臓病(腎不全)の治療
2015年2月9日診療日誌
毎年恒例ですが、秋から春にかけては私達の業界では勉強会が活発に行われています
先週末は当院も所属している葉月会・北摂ベッツセンター主催と梅田グランフロントの地下で、心臓・腎臓を含めた循環器疾患の勉強会に参加しました
特に昨年より猫の慢性腎臓病(腎不全)に処方が可能になった「セミントラ」と言う新しいお薬について、新たな知見も得られました。
このお薬は液剤のため、錠剤の服用が困難なネコちゃんには非常に飲みやすく、当院でも従来の錠剤と並行して処方を開始しています。
猫ちゃんの慢性腎臓病については古くから知られている病気ですが、街の動物病院がどのタイミングで治療を開始すべきか、以前から議論があるところです。
今回は、海外も含め大学病院などを訪れる猫ちゃんのデータから、どの時点でどういった治療がより長生きにつながるのか、新たなポイントを知ることができました。より良い診療が提供できるよう、尿検査専用の検査機器の導入も検討を開始しています
早速、獣医師一丸で今日からの診療に取り入れていこうと思います。
ちなみにですが、右の写真は当院で利用している屈折計と呼ばれる検査機です。あまり知られていないことですが、犬や猫の尿比重は人間とは異なり、補正が必要です。この検査機は動物専用で、補正した正しい尿比重を表示する優れものです
当院では猫の慢性腎臓病だけに限らず、猫ちゃんの診療をよりよくするため、現在複数のプロジェクトを進行中です。
この屈折計も国内では入手不可能なのですが、より早期に猫ちゃんの腎臓病の発見のために輸入したものです。
いくつかこちらのブログでご紹介していきますので、猫の飼い主様も乞うご期待ください
山本@獣医師