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2015年9月7日診療日誌

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当院では来院は少ないものの、時々ウサギさんもいらっしゃいます。

 

ウサギさんは、犬や猫と違い、草食動物なので、食性はもちろんのこと、根本的な生活様式や治療方針も全く異なってきます。

おまけに猫ちゃん以上に扱いが難しい動物であり、検査や治療も犬や猫ほど幅広くできないため、時には難しい判断を迫られることもありますsad

 

ウサギさんで最も多い来院のひとつが食欲不振ですeye

実はこの食欲不振は草食動物たちにとっては非常に重大な症状ですimpact

数日の経過観察でそのまま衰弱し、最悪の場合は死亡する恐れもあります。「食べない」「便が出ない」は、私たち人間や犬・猫と比べても早急な治療が必要です。

 

画像は先日来院されたウサギさんのイオヘキソール造影レントゲン写真ですが、この子も食欲がなくなったとのことで来院されました。

歯や内臓に大きな問題を抱えていない場合は各種内科治療で回復することがほとんどですが、中には全く改善が認められないケースもあります。

 

今回のウサギさんも造影検査を行ったところ毛球症による胃停滞が疑われたため、開腹手術となりました。

胃切開を行うと、非常に腐敗臭の強い、食渣と毛球がからまった内容物が大量に存在し、胃がパンパンに膨れ上がっていました。

直ちに内容物を除去し、胃内を洗浄、その他の合併症や併発症がないことを確認して閉創しました。

 

徐々に食欲を取り戻し、便通も改善。先日、飼い主様のもとへ退院していきましたscissors

 

ウサギさんは、検査で明らかに出来ることが犬や猫に比べると少なく、判断を悩むケースも多いです。特に外科手術を行うかどうかは、飼い主様にとっても獣医師にとっても重大な判断局面のひとつです。

今回の飼い主様も病状や経過についてよくご理解いただき、必要な手術について迅速にご同意いただけました。

今頃モリモリ食べて、ドカドカ出してくれていると思いますhappy02

 

山本@獣医師

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