歯周病は見た目では判断が難しいケースもあります
2016年8月5日診療日誌
先日、9歳のトイプードルさんを歯科処置のため簡単な洗浄の後に撮影した口腔の写真です。
一見、皆さんがご覧になると歯石もなく問題なさそうに見えるかもしれませんが、実はこの中に抜歯してあげなければならない歯があります。
歯の動揺や歯周ポケットの深さなどを診ていきますが、さらに内部構造を調べるのに最適な検査は口腔内のレントゲン検査です
この子のレントゲン写真も合わせて並べておきますが、実は歯肉で見えない歯の根っこの方は病気が進んでおり、このまま放置しておくと顎の骨を溶かしたり、鼻と口が繋がって頑固な慢性鼻炎を起こしてしまいます
レントゲン検査でおよそ半分まで歯槽骨の融解が起こっており、処置後の歯周病管理の点も考慮して抜歯適応と判断しています。
肉眼写真では右上顎の犬歯のすぐ右側の歯です
現在、当院では歯科用レントゲン装置と専用デンタルユニット、歯科器具一式の更新を進めています。
長時間の処置に及ぶこともあるため、全身麻酔器や麻酔モニターも最新機の導入も並行して検討を進めています。
より動物たちに安全で、正確な診断や処置ができるよう、私たちの技術面だけでなく、設備にも力を入れていきます
山本@獣医師