蛋白漏出性腸炎(リンパ管拡張症)
2016年1月18日診療日誌
左の写真は年始から当院へご来院いただいた、とあるわんちゃんの十二指腸内視鏡検査の画像です
当院へ来院された時にはお腹に腹水を貯めて大きく腫らしていた状態で来院されました。
各種検査にて、蛋白漏出性腸症と呼ばれる特殊な腸炎を患っている可能性があったため、状態の改善を図った後に全身麻酔下での内視鏡検査を実施しています。
このタイプの病気は、内視鏡検査が必須になります。左の写真から十二指腸粘膜に白い斑点が認められました。また同時に粘膜組織を採材し病理検査に提供します。
そうして得られた最終的な診断名は「腸リンパ管拡張症」です。
現代の獣医療では昔から知られている病気ですが、未だに完治させることが難しい病気です
食事療法や内服薬の投薬が生涯にわたって必要なことがほとんどで、治療が軌道に乗るまで紆余曲折をあることもしばしばです。
幸い、今回のわんちゃんは比較的良好な経過で辿り、現在最善の内科療法を模索すべく飼い主様と治療を相談中です。
年末年始に大変なご心配を飼い主様はされていたと思います。今後、少しでも元気でいてくれるよう私も頑張っていきたいです
山本@獣医師
追記ですが、内視鏡検査のビデオを飼い主様に見ていただくと一様に画質の綺麗さに皆様驚かれます。当院では難治性消化器疾患に対して積極的に内視鏡検査を実施しています。詳しくは診察にて担当獣医師にご相談ください。