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2014年7月9日診療日誌

4歳の若いシェパードくんの話ですdog

少し前から下痢が続いているとのことで来院されました。当初はよく遭遇する一般的な下痢症かと思い治療を始めましたが、治療中は改善があるものの、治療を終えると下痢を再発してしまっていましたsad

しばらくすると体重が減少し始めるため、栄養吸収が十分に出来ない“小腸性下痢”に分類されると判断しました。

 

小腸性下痢は判断してからの最終診断までがなかなか複雑です。血液検査やレントゲン検査、超音波検査、便検査は最低限必要な検査で、そこからさらに精密検査を進めて行きます。

 

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最終的にこの子は全身麻酔下での内視鏡による十二指腸バイオプシーと言う検査を実施しました。

 

 

胃カメラを十二指腸まで挿入し、十二指腸壁の一部を採取・病理組織検査を行なうものですpaper

 

組織診断が得られ、最終的な臨床診断名は「炎症性腸疾患(IBD)」と言う病気でした。

 

現在の獣医療では根本的な原因は不明の難治性疾患です。腸の粘膜に炎症性細胞が浸潤するために起こると言われています。

罹患したワンちゃんは無治療だと生涯に渡って下痢を繰り返しますし、治療自体も生涯に渡って必要になるケースが多いです

 

この子も確定診断が得られたため、必要な食事療法と薬剤の投与を開始し、初期の治療反応は良好で現在は経過観察中ですgood

 

なかなか治らない下痢は、それなりに難治性の理由があることも多いです。たかが下痢ですが、全身麻酔下での検査が必要の場合もあります。(この炎症性腸疾患の確定診断には全身麻酔が必須です)

なかなか治まらない下痢を抱えている時は、しっかりと検査や治療を進める必要があります。その場しのぎの治療だけでなく、獣医師と検査や治療について相談し、根気よく進めて行かなければなりません。

 

山本@獣医師