去勢手術のつもりが・・・
2014年6月24日診療日誌
当院で去勢手術を行なう動物たちには、全身麻酔を行なう前に、血液検査やレントゲン検査など、麻酔のための必要に応じた術前検査を全症例に実施しています。
これらの結果をもとに、各症例に応じた前投与薬や全身麻酔薬をチョイスしていきます
ところが、時には偶発的に病気を発見するケースもあります。今回のワンちゃんもそんな1例。レントゲン検査にて胃内に異物を発見しました
飼い主様に確認したところ、『そう言えば、2週間ほど前からクッションのボタンが無いような・・・』
と言う訳で、去勢手術と同時に内視鏡検査を実施した所、思っていた通りの物が
写真の中央に写っている黒く丸い物がボタンです。ちょうど幽門部(胃の出口)に転がっており、誤食された異物はたいていこの位置にあります。
ボタンに向かって伸びている針金状のものがバスケット鉗子と呼ばれる器具で、この後無事にボタンの除去に成功しました
ただ、内視鏡で取り除けない場合は胃切開手術になってしまいます・・・。入院も長いですし、食餌にも制限が出ます。
異物誤食は飼い主様のちょっとした気遣いで防げます。皆さん、ご注意を
山本@獣医師