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2016年4月9日診療日誌

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当院に以前から僧帽弁閉鎖不全症の治療で通院いただいているトイプードルさんが、急にご飯を食べなくなって便が黒くなった、とのことで来院されましたdespair

これらは上部消化管(食道や胃、十二指腸など)の出血を示す所見なのですが、各種一般検査では原因を掴むことが難しかったです。そのため、心臓病がある事は承知していますが、全身麻酔下にて内視鏡検査を受けていただく必要が出てきました。

この子はある程度、ステージの進行した心臓病を持っていたので、飼い主様には決断に非常に悩まれたと思いますが、幸い、わんちゃんも頑張ってくれたおかげできちっと原因がわかりました。その内視鏡写真がこれです。

 

胃の入り口付近に色の悪い腫瘤が見えます。ここから慢性の出血を起こして貧血を起こしていました。すぐさま開腹手術を行い、無事に腫瘤を摘出できました。

一番懸念していた病理検査でも悪性がんは否定され、順調に回復scissors本日、念のために設置していた胃瘻チューブも抜去を完了し、元気に明日の退院を待つのみとなりましたup

 

このトイプードルさん、実は年齢が15歳6ヶ月なんです。しかも日中も咳が出てしまうような、かなり進行した心臓病も持っています。

この飼い主様とのお話で非常に印象的だったのが、

「先生、このまま何もしなかったら何もしてやれないでしょ、だったら手術を頑張る」

と私に話してくれた事です。

 

日々、多くの飼い主様とお話しますが、高齢や病気を理由に手術などの治療をあきらめる方が多いです。

「先生、もう歳だし痛い事はして欲しくない」

気持ちはわかります。でも、治療の機会を失い、これから本当に痛い思いをしていくのは病気の動物たちです。

 

最後の判断はご家族たる飼い主様でありますが、今回、ご決断いただいた飼い主様には私も奮い立たされるものがありました。

今回、飼い主様の思いをしっかり成就でき、無事の退院の運びとなった事は獣医師冥利に尽きます。

 

山本@獣医師