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2021年6月12日診療日誌

先日、歯が折れているとおっしゃられて来院されたわんちゃんの歯の写真です。

このように深いクラックが入ってしまい、歯に栄養を行き渡らせる歯髄が露出してしまっています。

こうなると、現実的なことをお話しすればなかなか救済が難しく、温存することが出来ないわけでは無いのですが、度重なる全身麻酔、費用、感染リスクを考慮すると、非常にハードルが高いです。

ゆえに、抜歯手術が選択されることがほとんどなのですが、今回もこのままでは痛みや感染から守ってあげることができないため、敢えなく抜歯を選択しました。

 

原因は、飼い主様が与えていた硬いおもちゃでした。

 

多くの方が勘違いされていらっしゃるのですが、犬に何かを噛ませることは特に問題ないのですが、硬ければ硬いほど歯に良いだろうと思われがちです。

歯の表面を覆うエナメル質は、私たち人間のものよりも柔らかく、欠けやすい性質を持っているため、我々の歯より非常に脆いです。

加えて、私たちほど歯の損傷に対して敏感な症状を呈しないため、症状としても現れにくいため、飼い主様が気がつくのも遅くなります。

 

あくまで簡単な表現ですが、ご自身で噛まれて硬い!と感じるものは、犬はもっと硬いと感じています。なので、飼い主様がコレは噛みきれない、噛み崩せないと思ったものは、与えてはなりません。

 

みなさんもお手元のおもちゃや歯磨きガムなど、今一度、ご確認ください。

 

山本@幸い、口腔Xrayでも重度感染が無いことがわかりホッとした獣医師

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