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2018年8月1日診療日誌

当院でも定期的に行われる胆嚢摘出手術ですが、先日もトイプードルさんの手術があったので少し御紹介します。

 

胆嚢疾患については様々なところで議論があり、治療についてご相談を受けるケースも増えています。

今回手術を行ったワンちゃんは8歳オスのトイプードルちゃんで、以前から胆泥症があり内服での治療を進めて来ましたが、残念ながら改善が認められませんでした。

体調はまったく問題がなく元気も食欲もあるのですが、今後の悪化を懸念し、胆嚢摘出手術を受けて頂きました。

 

そして摘出した胆嚢が写真のものですが、胆嚢内には濃い緑色の粘液・ゼリー状の胆泥が蓄積しており、放置すれば明らかに胆管閉塞などを起こす危険性がありました。

飼い主様も無事の手術が終了に喜んでいただき、手術から3日後に元気いっぱいで退院して行きました。

 

今回の症例で最もポイントになるのが、「血液検査に異常が無い」にも関わらず、「手術を行うと胆嚢内の胆泥の蓄積は重度である」点です。

明らかに手術を行った方が良いと思われる胆嚢の状態だったにも関わらず、血液検査だけではこの状態を正しく把握できません。

 

今回のトイプードルちゃんも、まずは目下のリスクを摘出することに成功。治療自体は今後も継続していくことになりますが、とりあえずこれでしばらくは一安心です。

 

私も多くの胆嚢手術を行ってきましたが、今回のようなケース(致命傷になる前の手術)が最も予後が良い管理が出来ると感じています。

 

山本@今月から月1回の外科研修の出張に出る獣医師

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