ネット予約
06-6835-2022

2014年2月3日診療日誌

140203.jpg

この画像は、まだ1歳にも満たないメスのスコティッシュホールドちゃんの心臓超音波検査の写真です。

この子は閉塞性肥大型心筋症と呼ばれる心臓病です。

 

猫の心筋症(心臓の筋肉の病気)はいくつかのパターンが知られていますが、このタイプの病型は主にアメリカンショートヘアや、スコティッシュホールドで診断する機会が私は多いです。

 

病気の発見は、避妊手術のご相談に来院された時のことでした。

いたって元気いっぱいのニャンコさんでしたが、術前のレントゲン検査にて非常に拡大した心臓を発見し、すぐさま超音波検査を実施。診断に至りました。飼い主様はまさかご自分の猫が、、、と言った様子でした・・・。

 

このため、残念ながら避妊手術を延期していたのですが、先日、陰部から白いドロっとしたものが大量に出ている、とのことで来院されました。。検査結果は開放型子宮蓄膿症と言う病気でした。

そう、避妊手術していれば大丈夫な病気なんですが、心臓病が見つかってしまったせいで手術が出来ずにいました。

 

子宮蓄膿症はどちらかと言えばシニア期(7歳以上)の病気として認識されていますが、実は若い犬猫でも発症します。非常に珍しいですが1歳未満だけでも私は3例ほど手術を行なっています。

 

そして今日、各種検査や心臓の治療を経て、子宮・卵巣全摘出手術を行い、無事に終了することが出来ましたhappy01

 

果たして、心臓病発見当時にリスク承知で避妊手術を行なうべきだったのか、今でも迷いますが非常に難しい決断が必要です。未避妊の動物たちが全て子宮や卵巣疾患に至る訳ではありませんが、病気になってしまうと考え込んでしまいます。

(一説によると避妊手術を行なわずに子宮・卵巣疾患に罹患する確率は4頭に1頭とも言われています)

 

ただ少なくとも、やはり健康な動物たちは避妊・去勢手術を受けて頂いた方が良い、と言うのは動物医療の現場の声として皆さんに聞いて頂きたいです。

 

今回の飼い主様はこの先天性であろう心臓病についても非常に理解があり、今回の手術に関しても覚悟の上での決断でした。数日中には元気に退院していってくれることと期待しています。

 

山本@獣医師

SNS Share