診療日誌

様々な鎮痛剤

当院では、手術内容や痛みの程度、年齢や状態に合わせて、最適な鎮痛処置が可能になるように様々な種類の鎮痛剤を準備しています。

 

みなさんに馴染みがあるのが、薬局や一部のドラッグストアで購入できる「ロキソニン」などは、一度は服薬されたこともあるとは思います。

動物医療にも同様のお薬が古くからありますが、その作用時間や利き方も少し違うため、痛みの種類に応じて使い分けます。

 

また、写真にも小さく写っていますが「モルヒネ」も、戦争映画などで時々聞かれたことがあるかもしれませんね。

これは麻薬性鎮痛剤と言う強力な鎮痛剤で、大きな痛みを伴う開腹手術や整形外科の手術では必須の薬剤です。

最近では局所麻酔薬によるブロック麻酔も併用することが多く、当院でも避妊手術や去勢手術を含め多くの症例でブロック麻酔を実施しています。

 

写真に出したものは主に注射剤で、この他にもない服薬もあり、当院が備える鎮痛剤はざっと20種類に及びます。

 

繰り返しですが、当院では、簡単な避妊手術や去勢手術から、多くの痛みを伴う整形外科手術や開胸手術など、これらの鎮痛剤を状態や年齢に応じて使い分けることにより、動物の苦痛を最小限に止めるよう今後も努力を続けます。

 

山本@自分も頭痛持ちで痛いのが大嫌いな獣医師

2回に分けての歯周病治療

歯周病での治療のご相談がどんどん増えているノア動物病院です。

先日処置を行ったトイプードルくんのお口の写真です。

歯石が付着していますが、歯石除去だけで治療可能と判断されてしまうかもしれませんが、、、

口腔レントゲン撮影を行うと、、、

すでに歯槽骨は融解し、かなり進行した歯周病であるため、抜歯手術が必須になります。歯石除去だけでは見た目が白くなるだけで歯周病は治りません。。

結果、このトイプードルくんは、犬歯4本と近くの2本の前臼歯の計6本だけを残して、合計23本の抜歯を行い手術を終了しています。

 

しかし、本当はこのうちさらに4本は本来は抜歯手術が必要でした。

なぜ4本の手術を行わなかったというと、非常に全身麻酔の時間が長くかかってしまうからです。

 

往々にして、重症歯周病の動物はみな高齢犬の傾向があり、長時間の全身麻酔は合併症のリスクをあげてしまいます。

そのため、もう一度の全身麻酔が必要になりますが、安全のために、2回に分けて手術を行うこともしばしばあります。2回に分けた方がリスクが少ないと考えます。

 

このトイプードルくんも約1ヶ月後に残りの4本の抜歯のため、2回目の手術を受けてもらうことになりました。

幸い、全身麻酔も安定しており、全ての麻酔記録を保管しているため、2回目の方が安心なことも多いです。

 

でも、誤解のないようにお伝えしますが、歯周病治療とは本来抜歯手術を受けてもらうことではなく、正しいデンタルケアを飼い主様に学んでいただき、健康な歯を残すことが重要です。

抜歯手術は、救済できない歯周病のための最後の手段です。

 

そのため、当院では積極的にホームデンタルケアの啓蒙にも取り組んでいます。

当院には様々なデンタルケアに関するアドバイスをしています、ぜひ私たちと一緒に学んでいきましょう。

 

山本@本来は抜歯手術はなるべく避けて通りたい獣医師

みぃちゃんの巻

皆さまこんにちは、トリマー看護師の小林です。

今日は娘のにゃんこのみぃの話をさせていただきます。

8年前の2011年3月11日、東日本大震災がありました。津波によって原発が爆発し大量の放射能が漏れだしました。それは今も続いています。

2011年の夏、福島の子どもたちを放射能から避難させたいと思う有志たちにより、明石で保養キャンプをしました。

その時一緒にスタッフとして関わっていた友人が、通勤途中出会ったのがまだ目も開いていない「みぃ」でした。

友人が連れて帰れないので私の家で預かっていたら、当時中3の娘が自分に育てさせて欲しいというので、娘に託すことにしました。

ちょうど夏休みの期間だったので、2~3時間おきに排泄のお世話とミルクをあげることができました。

自分で育てるとみぃに対する愛情の育ち方が違います。みぃの懐き方も違っていました。   

以前このブログに登場した三毛猫のごんも、子育てに参加してくれました。避妊手術をしているのでおっぱいは出ないものの、みぃのお尻を舐めて排泄を促したり、自分の懐に入れてずっと毛づくろいをしていました。出産経験はないのですが、本能とは素晴らしいですね。遺伝子が記憶しているのですね。


みぃは今8歳。原発事故から8年です。今年の夏も明石で保養キャンプが開催されました。今後も続くでしょう。

みぃは娘の心の友になりました。部活でしんどい時、娘の横で毛づくろいをしてリラックスムードを作ってくれました。友達が泊まりに来たときは、一緒におもちゃで遊びました。

人生の大きな転機の時には、いつも傍らに寄り添ってくれました。みぃは無くてはならない存在になりました。

その娘も就職して一人暮らしをはじめました。いや、みぃと二人暮らし。これからのみぃの猫生と娘の人生、よりよく一緒に自分の選んだ道を歩んでいって欲しいと思います。

 

 

猫の皮膚糸状菌症

猫を保護されて来院されることは動物病院では日常的です。

みんさんご縁があって家族に迎い入れるわけですが、やはり野外で生活していると病気をすでに持っていたりするので、必ず動物病院で健康診断を受けることをお勧めします。

中でも少し厄介なのが、人間にも感染してしまう「人畜共通感染症」にはご家族に特に注意が必要です。

この顕微鏡写真は脱毛とカサブタを作る野外出身の猫ちゃんから採取した毛を100倍ほどに拡大したものです。

毛の周りにツブツブが映し出されていますが、実はこれが人間にも感染する真菌の一種です。

院内の検査で明らかにすることが出来ますが、念のために遺伝子検査にも提出し、確定診断を得ています。

この皮膚病は強い痒みなどはないものの、環境中にも真菌の胞子が長く滞るため、治療期間も長期に渡ることが多いです。

なにより、この病気を知らずに家族に迎い入れた結果、ご家族全員が人間の皮膚科にかかられたケースもチラホラあります。

実は知らずに獣医師が感染してしまうケースもあるくらいです。(僕は今のところ経験無しです!)

 

この他にもマダニにが寄生していると、その猫から重症熱性血小板減少症候群;SFTSに人間が感染する報告が最近相次いでおり、特に50代以上の重症例では死亡例が報告されています。

参考:国立感染症研究所webページ

 

野外にいる猫ちゃんを全て危険視する必要はありませんが、このように様々な人畜共通感染症があることを動物を飼われている方は知っておかれ、正しい予防医療を動物病院で受けるようにして下さいね。

 

山本@まだまだ猫のフィラリア・ノミマダニ予防は普及が少ないと感じる獣医師

  

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