診療日誌

勉強会・学会・セミナーシーズン突入

今年はなぜだかセミナーや学会が多いです。特に画期的な新薬の発表が続いている印象がありますflair

特にアトピー性皮膚炎については、これまではきちっと治療薬として展開できなかった減感作療法が可能になりました。この治療はすでに皆様からお申し込みを頂いていますpaper

この他に、猫の慢性腎疾患(慢性腎不全)治療薬、副作用が少ない化学療法剤、安全性が高い全身麻酔導入剤、などなど。

 

順次ご紹介をしていきますね。モバイル会員様は配信メールにてご案内致します。詳しくは診察時に獣医師までご確認くださいnote

 

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さて、先日は大阪で「低悪性度リンパ腫」の講演がありましたので行って来ました。

 

もう名前から難しいでしょ?この病気、ここ5年ほどで注目度がかなり上がって来ている血液系腫瘍のひとつです。

 

なぜ話題に上がるかと言うと、この病気の治療の特殊性にあります。

やみくもに抗癌剤治療に走ると、かえって副作用に悩まされるためです


治療を行なうべきか十分検討し、慎重に治療について飼い主様と相談して行く必要があります。

 

当院でも現在、治療を行なわず経過観察中のワンちゃんが居ます。ワンちゃんも高齢なので無理の無いように、、、と言う飼い主様の希望もあり、現在も抗がん剤などの投薬を行なわず、それでも経過良好に過ごせていますwink

 

「腫瘍」と一口で言っても色々な検討や治療が存在します。

 

 

山本@獣医師

収穫!

とうとうsign03

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枝豆、収穫しました~happy02up

 

 

採れたて、湯がきたて、とっても美味しかったですnote

プランターでもこんなに立派に育つものなんですねhappy01

正直ビックリしています(笑)

 

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枝豆は、植えたあとはお水をあげていただけで・・・

特別なお世話もなく、

トマトのアイコちゃんほど手がかからなくて、楽チンでしたwink

 

来年は自分の家でも植えてみようかなshine

 

 

 

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                     佐藤@動物看護士

原因不明・・・

12歳メスのキャバリアちゃんが、左前足をかばって歩いている、とのことで来院されました。

レントゲン検査では明らかな異常は認められなかったのですが、身体検査にて肩関節から痛みを訴えることがわかり、さらに詳しく触診すると、通常よりも関節可動域が広くなっていました。つまり、肩関節が開き過ぎている状態です

ここでひとつ病名が仮診断されるのですが、これを確定診断するためにはその他の肩関節疾患が無いことを検査で明らかにしていく必要があります。ちなみに、このような診断方法を私たちは『除外診断』または『ルールアウト』と呼びます。

 

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これで診断・治療の方向性が見えた!と思いきや、肩関節のレントゲン写真に自然と写り込む肺やに妙な陰影が・・・・。

 

 

飼い主様に再度問診を取り直した所、そう言えば咳をする事がある、気になるほどでなかった、と。。肺野を撮影し直すと結節・混合パターンと呼ばれる所見が得られました。

 

以上を踏まえ、胸部と肩関節のCT検査を提案させて頂き、実施することになりました。

 

その結果、肩関節については当初の仮診断通り、『肩関節不安定症』と診断されました。現在の所、この疾患に対する有効な治療方法はありません。前肢帯にコルセットのようなサポーターのオーダーメイドで作製し、固定するしか方法が用いられます。

幸い、この子は重症では無いため、痛みを訴えるようなら安静と鎮痛剤の処方で様子を見る事になりました。

 

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一方で肺野のCT検査結果は芳しくなく、肺の至る所に腫瘤病変を形成し、所々でブラと呼ばれる肺が破れた所見も得られました。

 

 

通常の肺腫瘍の所見とは異なるため、肺胞洗浄液を回収し、細胞診および全ての培養検査を実施しましたが、残念ながら診断を得る事が出来ませんでした。。。

 

 

今回は『足をかばっている』と言うごく一般的な診療から、肺疾患を発見することに至りましたが肺疾患に関しては確定診断を得る事が出来ませんでした。。

CT検査や遺伝子検査など、獣医療は進歩を遂げましたが、未だに原因不明の疾患に遭遇する事はあります。

 

この子は前足や咳に関しても、飼い主も私も共通して一般状態や生活の質を下げることは無く、食欲は元気の良さは全く問題無いため、経過観察をしていくことになりました。

この子の生涯の中で、この疾患が悪化しない事を祈るばかりです。

 

山本@獣医師

緊急オペ

症例の話が続きます。9歳MIX犬の話ですdog

 

一昨日から急に吐いている、とのことで来院されましたdespair

お話を伺うとどうも単純な急性呕吐とは違い、詳しく検査が必要と判断しました。初期の検査結果から『急性膵炎』の可能性があるため、即日で入院治療となりました。

 

ところが治療しても検査数値や症状に改善が乏しく、緊急で全身麻酔による内視鏡検査を実施することにしました。

 

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そしたらビンゴです、胃内に異物を発見しました。初期の検査には全く引っかからなかったのに・・・。

異物誤食による呕吐ですdown

 

 

そのまますぐさま緊急の胃切開手術を行ない、異物を無事に摘出しました。さらに言えば、この症例は切開時には十二指腸にも他の異物で完全閉塞が起こっており、発見が遅れれば命の危険性もあったかもしれません。

ちなみにこの異物、飼い主様は全く心当たりが無いとのことで、一体どこで食べたのか不明ですsweat02

 

内視鏡検査は全身麻酔が必須のため飼い主様に全身麻酔を承諾頂きますが、どの飼い主様も全身麻酔には一定の抵抗感を示されます。これはもちろんのことです。なるべくなら全身麻酔や手術は避けて通りたいものです。

今回、飼い主様には我々の提案をすぐに受け入れて下さったので、すぐさま治療まで完遂することができました。ある意味、ファインプレーは飼い主様の迅速な判断です。

 

現在も経過は良好で、昨日排便も確認出来ました。もうすぐ退院ですnote

 

山本@獣医師

慢性の下痢症

4歳の若いシェパードくんの話ですdog

少し前から下痢が続いているとのことで来院されました。当初はよく遭遇する一般的な下痢症かと思い治療を始めましたが、治療中は改善があるものの、治療を終えると下痢を再発してしまっていましたsad

しばらくすると体重が減少し始めるため、栄養吸収が十分に出来ない“小腸性下痢”に分類されると判断しました。

 

小腸性下痢は判断してからの最終診断までがなかなか複雑です。血液検査やレントゲン検査、超音波検査、便検査は最低限必要な検査で、そこからさらに精密検査を進めて行きます。

 

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最終的にこの子は全身麻酔下での内視鏡による十二指腸バイオプシーと言う検査を実施しました。

 

 

胃カメラを十二指腸まで挿入し、十二指腸壁の一部を採取・病理組織検査を行なうものですpaper

 

組織診断が得られ、最終的な臨床診断名は「炎症性腸疾患(IBD)」と言う病気でした。

 

現在の獣医療では根本的な原因は不明の難治性疾患です。腸の粘膜に炎症性細胞が浸潤するために起こると言われています。

罹患したワンちゃんは無治療だと生涯に渡って下痢を繰り返しますし、治療自体も生涯に渡って必要になるケースが多いです

 

この子も確定診断が得られたため、必要な食事療法と薬剤の投与を開始し、初期の治療反応は良好で現在は経過観察中ですgood

 

なかなか治らない下痢は、それなりに難治性の理由があることも多いです。たかが下痢ですが、全身麻酔下での検査が必要の場合もあります。(この炎症性腸疾患の確定診断には全身麻酔が必須です)

なかなか治まらない下痢を抱えている時は、しっかりと検査や治療を進める必要があります。その場しのぎの治療だけでなく、獣医師と検査や治療について相談し、根気よく進めて行かなければなりません。

 

山本@獣医師

オンラインセミナー

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最近、『オンラインセミナー』が増えています。要するにインターネットで配信されるセミナーですねpc

ありがたいのは、セミナー会場まで行かずに自宅で見れちゃう事。今回のセミナーも新潟での開催でしたが、おそらく国内の多くの獣医師は自宅か病院でこのセミナーに参加していたと思います。

 

夜の8時からとあって、こちらは晩飯を頂きながらのセミナー聴講ですgood

(お酒は飲んでませんよ〜delicious

 

内容は最近、だんだんと明らかになって来た猫のフィラリア症についてですcat

猫の飼い主様には当院でも積極的に猫のフィラリア予防を御願いしていますが、また新たな事案も確認されてきました。

 

以前からご案内している通り、猫のフィラリア予防も犬と同様に重要性を増して来ています。

近日中には猫の飼い主様にはメール配信もしくはダイレクトメールでご案内しますねloveletter

 

山本@獣医師

猫の健康診断の重要性

先日、またお昼に緊急の電話が・・。『後ろ足が急に動かなくなって、ダランとしている』と言う猫ちゃんの飼い主様からの連絡がありましたcat

ミニチュアダックスフンドでは椎間板ヘルニアが非常に有名な病気として、このような急性の後ろ足の麻痺症状はありますが、猫ちゃんでの椎間板ヘルニア発症は非常に稀です。

 

嫌な予感がしました・・・

 

すぐ来院頂くようお願いし、早速診察した所、猫ちゃんは大きく口を開け、いわゆる開口呼吸をしています。猫ちゃんは基本的に犬のように口を開けて大きく息をする動物ではありません。つまり、これは呼吸困難を呈しています。

すぐさま酸素吸入や胸水抜去など必要な緊急処置を施し、各種検査を実施しました。その結果のひとつ、腹部超音波検査の写真を載せています。

 

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この赤い色をつけた検査は、パワードップラー検査と言い、血流を捉えることが出来る検査方法のひとつです。画面真ん中に腹大動脈が写っているのですが、血栓により大部分が閉塞されているため、わずかな隙間から血液が流れていることがこの検査でわかります。

 

 

 

悪い意味で僕の予感は的中しました。診断名は『肥大型心筋症による大動脈血栓塞栓症』と言う病気です。

 

心臓の中で血栓と呼ばれる血の塊が作られて、これが腹大動脈が両後肢に分岐する部分、ようするに血管が細くなっているところに詰まってしまう病気です。人間では脳血管や心臓の冠動脈に詰まる病気(前者が脳梗塞、後者が心筋梗塞と呼ばれます)が多いですが、猫ちゃんは足の付け根の血管に詰まります。

このため、後ろ足には酸素と栄養が供給されず、後ろ足は急激に体温を失い、冷たくなり、動かなくなっていきます。。この状態の猫ちゃんは痛みが生じるため足を触られる事を非常に嫌います。

 

猫ちゃんが発症してから迅速に治療を開始することが生死を分ける事があるのですが、この麻痺状態に至ると救命率は極端に悪いです。

この子にも最後まで尽力治療を施しましたが、発症から約30時間後、安らかに息を引き取りました。。(30時間前まではいつものように元気だったそうです)

 

 

この病気は発症してしまうと非常に救命率が悪く、また急性に進行していくため、手の施しようが無いこともあります。そのため、心臓病があったとしても、この血栓塞栓症にさせないために心臓病と合わせて予防的な治療をしていきます。

特に健康診断で発見出来る事も十分あるため、特に症状を表に出さない猫ちゃんたちには健康診断が必要不可欠と私たちは考えています。

 

この子も定期的に半年に一度ほど健康診断に受診してくれていれば、早期発見出来ていればまた別のお別れがあったかもしれないと思うと、いつも遣り切れない思いがスタッフの間に交錯します。

 

当院ではこのような事例を踏まえ、今年から年に2回の健康診断シーズンを設けました。少しでも多くの方に利用頂けるなら、、、と思い、お値段も抑えました。猫ちゃんは7月末まで実施しています。

 

皆様に健康診断について少し考える機会を持って頂けたら幸いです。

 

 

山本@獣医師